最近私が、空間を作る時に、かなり神経を使うのが照明です。ともかく、いかに見せたいポイントだけあてて、後は極力絞って印象的に見せたり、昼と夜で異なる表情を作ったり・・・など、意外とはまると奥が深いんですが、そうなると、自分が見せたい表情はどうすれば作れるのか?ってことになり。
照明に関しては、出来上がるまで見えないので想像と、現実にギャップがでないようにするのが大変です。特に昔は意匠照明でみせる時代でしたが、最近は間接照明で見せる時代になってきているのでことさらです。光をどこに見せたいのか、鋭角に照らすのか、広角に照らすのか、色目や照度、見せ方によっては全く別な空間になってしまうので本当に恐ろしい。
そんなこともあり、私はいつも照明デザイナーの人と組んで徹底的に話し合いどんな光を作るのか一緒に考えるんです。ここ半年くらい、いつも組んでいた人と変わって新しいデザイナーとやっていますが、去年の高松の物件ではみごとに成功!クライアントにも照明がいいと言われたくらい、本人も現場調整に何度も足を運んでくれて、二人で現場回りと調整をし、アートワークの細部にまできちっと当たるよう、まぁー、そのこだわりようはすごくて。たまにこちらの方が音をあげてもういいんじゃないのかなーというのも許してもらえず。(若いってほんと情熱熱いですよねー)
プラン時も休み返上で見てもらいたいだの、もう一度話しあいたいだの何やかんやで出て来いとは言えませんが、どこにでも伺うので、でてきていただけたらっていうんですから(笑)同じことじゃない(^-^;)
今回の物件も、年末ギリギリの30日に2人で喫茶店で延々ディスカッション!結婚式場だったので、数ある空間の中で、特にチャペルの光の作り方には私の思い入れがすごく強く、床からの光が正面に向かって縦に伸び、天井に広がり、いながらパースペクティブに光が放射線を描くような広がりをみせる照明にしたいし、そうなるとベースの光は、それを強調するために、一切なくし、その代わり、壁に柱みたいに見えるような縦の光を連続させて極端な光を作りたいんだけど!と言うと彼も大盛り上がり。わいわいすごい勢いでプランをまとめてたのに、ふたをあけたらあまりに敷地が広く、やるところがありすぎて満遍なくかかってしまい、予算が合わないから半分に!なんていってほとんど既存の照明ベースでどうにかしたいとのご命令。しかも、撤去してきた照明を差し替えて使うようにということになって、メーカーも型や大きさ、球の色もバラバラなものを組み合わせてなんとか統一感を作れたらという。
制作サイドにプランをなんとか撤去してきたものと既存の組合せでまとまらないだろうか?といつの間にか私の知らない間に照明デザイナーは呼び出せれていて、変なことに巻き込んじゃって申し訳ないなーーーって思っていた。照明メーカーのデザイナーは、そんなこと言われても、自分のところの器具をつけない限り一銭のお金にもならないから。まぁ、仕事ではよくある話ではあるのかもしれませんが・・・。
そんな彼から律儀にも打ち合わせが終わって電話がかかってきた。報告を私にしなくちゃいけないからという。私は合わす顔がないというか、申し訳ないなーと、考えてるうちに、携帯にでた瞬間あはは・・・・と、もしもしでもなく、名前を名乗るわけでもなく、ともかく取り繕いの笑いを声に出して、今電車だから降りたらかけなおします!と言って電話を切った。
その後かけなおすと、出た瞬間に笑ってる私の声で何が言いたいのか全て分かったし、自分と同じ気持ちなんだと思ってホッとしましたと言われた。
思ってもみない返答だった。でも、ありがたいなーと思ってただただ謝るしかなかったけど、きっと今度はもっといい空間を一緒に作れるような気もしてなんだかうれしかった。
だから、今日はすがすがしくヒヤシンスを生けた。家に返って扉をあけた瞬間から甘い香りが広がり幸せな気分にしてくれる。
もうすぐ春が近づいているんだな。
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